4 お借入れすると、借入れ金額などの情報が信用情報機関に提供されます

貸金業者は、個人の顧客と貸付けの契約を結ぶ際には、指定信用情報機関が保有する顧客の信用情報を利用しなければなりません。また、顧客と貸付けの契約を締結した場合は、顧客の氏名や貸付金額などの信用情報を指定信用情報機関に提供しなければならないことになっています。

指定信用情報機関制度

解説

貸金業者が個々の借り手のリスクを精緻に把握し、借り手の返済能力を超える貸付けを防止するため、貸金業者が個々の借り手の総借入残高を把握できる仕組みとして、指定信用情報機関制度が設けられています。
この制度では、信用情報の収集と貸金業者に対する信用情報の提供を行う業務(信用情報提供等業務)を行う信用情報機関について、内閣総理大臣による指定制度を設けています。また、貸金業者には、個人向けの貸付けに係る契約または個人と保証契約を締結しようとする場合に、指定信用情報機関の保有する信用情報を使用した返済能力の調査を義務づけるとともに、貸付けに係る契約を締結した場合は、遅滞なくこの貸付けに関する信用情報(個人信用情報)を加盟している指定信用情報機関に提供することを義務づけています。
信用情報とは、ローンやクレジットなどの取引に関する客観的な事実を表す情報です。本人を識別するための情報のほか、契約内容、返済、支払状況、利用残高などが該当します。いわば個人の信用を客観的に示した情報で、貸金業者やクレジット会社などで顧客の信用を判断する情報の一つとして利用されています。
(※貸金業法においては「信用情報」を、資金需要者である顧客または債務者の借入金返済能力に関する情報と定義しています。)

Q&Aで理解を深めよう

貸金業法とは 知っておきたいお借り入れのルール
Q1
「指定信用情報機関」とは何ですか?
貸金業法とは 知っておきたいお借り入れのルール
A1
信用情報の収集と貸金業者に対する信用情報の提供を行う業務(信用情報提供等業務)を行うものとして内閣総理大臣から指定を受けた信用情報機関を指定信用情報機関といいます。指定信用情報機関には、保有する信用情報の規模や財産的基礎が一定以上であることが義務づけられ、経営管理態勢、信用情報の正確性の確保、信用情報の安全管理などの態勢を確保していることが求められています。
現在、株式会社日本信用情報機構(JICC)と株式会社シー・アイ・シー(CIC)の2社が指定を受けており、加盟する貸金業者から提供を受けた情報を管理、提供することで、消費者と貸金業者の健全な取引を支えるなど、消費者信用市場の健全な発展を支える社会インフラとして重要な役割を果たしています。

貸金業法とは 知っておきたいお借り入れのルール

Q2
借入れすると、どのような情報が指定信用情報機関に提供されるのですか?

貸金業法とは 知っておきたいお借り入れのルール
A2
貸金業者には、個人の顧客と貸付けに係る契約を締結した場合、遅滞なくこの貸付けに関する信用情報(個人信用情報)を加盟している指定信用情報機関に提供することが義務づけられています。
貸金業者が指定信用情報機関に提供することが義務づけられている信用情報(個人信用情報)は次のとおりです。
<本人を識別するための情報>
  1. (1)氏名(ふりがなを付す。)
  2. (2)住所
  3. (3)生年月日
  4. (4)電話番号
  5. (5)勤務先の商号または名称
  6. (6)運転免許証の交付を本人が受けている場合は、その番号
  7. (7) パスポートなどの本人確認書類に記載されている本人を特定するに足りる記号番号(当該書類により本人確認を行った場合)
    ※配偶者貸付けを締結している場合には、配偶者に係る上記(1)~(7)の情報
<契約内容など>
  1. (1)契約年月日
  2. (2)貸付けの金額
  3. (3)貸付けの残高
  4. (4)元本または利息の支払の遅延の有無
  5. (5)総量規制の除外契約・例外契約に該当する場合はその旨
貸金業法とは 知っておきたいお借り入れのルール
Q3
私に関して、どのような情報が指定信用情報機関に登録されているのか知る方法はありますか?
貸金業法とは 知っておきたいお借り入れのルール
A3
指定信用情報機関では、申込みを受けて信用情報の開示を行っています。申込み方法や費用など、それぞれの機関のホームページなどで案内されていますのでご覧ください。
尚、電話での開示は行なっていません。
【指定信用情報機関】
株式会社日本信用情報機構(JICC) 電話番号 0570-055-955
受付時間 月~金(祝日・年末年始を除く)
10:00~16:00
株式会社シー・アイ・シー(CIC) 電話番号 0570-666-414
受付時間 月~金(祝日・年末年始を除く)
10:00~12:00 13:00~16:00
貸金業法とは 知っておきたいお借り入れのルール
Q4
指定信用情報機関制度において、個人情報の保護のため、どのような措置が講じられているのですか?
貸金業法とは 知っておきたいお借り入れのルール
A4
信用情報については借入れの情報という非常に個人的な情報が含まれていますので、プライバシー保護の観点から、指定信用情報機関と貸金業者には、信用情報が不正に利用されたり、外部に流出したりすることのないよう、慎重な取扱いが求められます。信用情報の流出や目的外使用を防ぐため、次のような措置が講じられています。
  1. 貸金業者による信用情報の目的外使用を禁止し、違反した場合は刑事罰対象とする
  2. 指定信用情報機関の役職員などに秘密保持義務を課し、違反した場合は刑事罰対象とする
  3. 信用情報の適切な取扱いを確保するため、貸金業者と指定信用情報機関に体制整備を求める
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