令和4年2月16日
民法の改正により、令和4年4月から成年年齢が18歳に引き下げられ、親の同意を得ることなく、有効な貸付けの契約を締結できるようになります。これにより、18歳、19歳の若年者(以下、「若年者」という。)が積極的に社会の中で主体的な役割を果たし、社会に大きな活力をもたらすことが期待される一方で、若年者が過大な債務を負わないようにすることが重要です。
現行の貸金業法では、貸金業者が顧客に対して顧客の年収の3分の1を超える貸付け及び返済能力を超える貸付けを行うことは禁止されており、その実効性の担保として、貸金業者は、顧客から収入の状況を示す書類(給与明細や源泉徴収票等)の提出又は提供を受けるとされていますが、貸付額が50万円以下又は他社との合算額が100万円以下の場合は、収入の状況を示す書類は不要とされ、年収は顧客の自己申告も認められてきました。
こうした中、令和4年1月7日に成年年齢引下げに関する関係閣僚会合(構成員:内閣総理大臣、金融担当大臣等)が開催され、各府省庁から若年者の消費者被害等を防止するための主な施策(別添参照)が報告されるとともに、総理から各府省庁に対し、これらの取組を集中的に進めるよう指示がありました。主な施策の中では、「貸金業協会における自主ガイドライン(収入の状況を示す書類の確認等)の策定等を行う。過剰借入・与信防止の観点から、当局の監督・検査により遵守状況をモニタリング」することとされております。
当協会では、これまでもアンケートを通じ、若年者への貸付けを行うとしている協会員のうち、大宗の皆様が自主的な取組を通じて、若年者が過大な債務を負うことがないように慎重な姿勢で取り組んでいただいていることを確認しておりますが、この度の政府の方針を受けて、若年者への貸付けに関してはより丁寧な返済能力調査を行うため、当協会の社内規則策定ガイドライン「過剰貸付けの防止」に、当分の間、下記の規制を盛り込むこととしました。
当協会としては、監督当局とも連携しながら、協会員への指導・監査を通じて、当該規制の遵守状況を確認していくこと等により、若年者が過大な債務を負うような事態が生じないよう、全力で取り組んでまいります。引き続き、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
記
以上