若年者の金融トラブル
防止のために
18歳から大人
18歳になると未成年者取消権※を失うことから、
いったん結んだ契約は、原則として取り消すことができません。
このため、新成人は社会経験や
知識の不足につけ込まれ、
悪質商法などの金融トラブルに
巻き込まれやすいと懸念されています。
※未成年者取消権:民法において、未成年者が法律行為をするにはその法定代理人の同意を得なければならず、法定代理人の同意を得ずに行った法律行為は取り消すことができると規定されています。
事例を知ってトラブル防止
若年者が巻き込まれやすい
金融トラブルの事例をご紹介します。
個人間融資
SNSや掲示板サイトなどを通して見知らぬ同士が金銭の貸し借りをする「個人間融資」において、高額な利息の支払いを求められて返済が困難になった、融資の条件として性的な要求をされた、先に保証金を支払ったら貸してもらえないまま連絡が取れなくなったといったトラブルが発生しています。返済が困難になると悪質な取り立てをされたり、個人情報を悪用されさらなる被害に遭ったりすることもあります。
貸金業登録※を行わずに不特定の相手に広く融資の勧誘をし、金銭を貸し付けする行為は、貸金業法に違反します。このような誘いには絶対に乗らないでください。生活資金に困った場合は、地域の社会福祉協議会などの行政機関に相談してください。
※不特定の相手に反復継続して金銭の貸し付けを行う場合は、国(財務局)または都道府県の登録を受けなければなりません。この規定に違反する者は、いわゆる「ヤミ金融業者」です。
先払い買い取り
スマートフォンやゲーム機などの中古品を買い取るとしながら、買い取りの契約を解除することを前提として、中古品の画像を送信させて金銭を交付し、後日、高額な違約金(キャンセル料)を受け取るといった手法で利益を得る業者がいます。
金融庁は、商品の売買を装っていても、その経済的な実態が貸し付けと判断される場合は貸金業に該当し、貸金業登録がないままこうした業を行うことは貸金業法に違反するという見解を示しています。
仮に買い取り料として30,000円を受け取り、2週間後に50,000円支払ったとすると、差額の20,000円は14日分の利息と解釈されます。これを金利に換算すると年率約1,750%となり、利息制限法に定められている上限金利※をはるかに超えています。
このような取引が原因で多重債務に陥ったり、個人情報を悪用されたりすることがあります。
※利息制限法の上限金利は貸付額に応じて異なります。
貸付額が10万円未満の場合 年20%
貸付額が10万円以上100万円未満の場合 年 18%
貸付額が100万円以上の場合 年15%
融資保証金詐欺
偽SMS
宅配業者、携帯電話会社、大手販売サイト、クレジット会社、銀行などをかたる偽 SMSによる被害が相次いでいます。
偽 SMS にある URL をタップすると、偽のサイトに誘導されて個人情報の入力を求められたり、新アプリのインストールを勧められたりします。
相手に従ってしまうと個人情報やスマートフォンの情報が盗み取られ、キャリア決済などを不正利用されて身に覚えのない請求を受けたり、スマートフォンから同じ内容の偽 SMS が多数送信されて高額な通信料が発生したりします。
内容の真偽を確認する場合は、公式サイトや公式アプリから情報を取得してください。
万一、偽サイトからパスワードを入力してしまった場合は、直ちに本物のサイトの運営元に連絡し、不正利用されていないかどうか確認してください。不正利用が確認された場合は、運営元に対策の助言を求めましょう。アプリをインストールしてしまった場合について、独立行政法人国民生活センターは、端末の初期化を推奨しています。初期化すると購入時の状態に戻りますので、日頃からデータをバックアップしておくとよいでしょう。
特殊詐欺の受け子
詐欺グループはSNSの投稿や知人のつてなどを使い、高額な報酬をエサにして受け子や出し子※などの実行役を集めます。
「危ない仕事では?」と不安に思っても、「絶対に捕まらないから大丈夫」などと安心させて仲間に引き入れます。一度引き受けてしまうと、脅されて逮捕されるまで続けざるを得ない状況に追い込まれます。事前に身元を把握されているため、途中で抜け出すことは困難です。
現行犯で逮捕されると、刑罰を受けるだけでなく、被害者から多額の賠償金を請求されることもあります。警察は「一生を棒に振る行為」と警告しています。
※「受け子」とは被害者から現金やキャッシュカードなどを受け取る役割を担う者、「出し子」とは騙し取ったキャッシュカードと暗証番号を使ってATMで現金を引き出す役割を担う者のことです。
荷物転送詐欺
副業詐欺
携帯電話買取詐欺
名義貸し
SNS で知り合った人から自分の代わりに金融機関からお金を借りてほしいと頼まれ、思わぬ借金を背負ってしまうことがあります。
「貸金業者の調査をしています。謝礼をお支払いしますので、あなた名義で消費者金融からお金をかりてください。借りたお金はすぐにこちらで返しておきます」なとど言い、指定した金融機関から借り入れさせたお金をだまし取る「アルバイト詐欺」によって結果的に名義貸しをしてしまったという事例もあります。
他人のために借りた場合であっても、返済義務はあくまで契約した本人にあります。
返済が滞ると信用情報機関(「信用情報」参照)にその情報が登録されます。
マルチ商法
タレント・モデル契約のトラブル
SNSなどでオーディションの広告を見て応募したことがきっかけでトラブルになることが多いことから、オーディション商法とも呼ばれています。街中でのスカウトがきっかけでトラブルに巻き込まれることもあります。
タレントやモデルに憧れる気持ちを利用し、「才能がある」と持ち上げたり、「今決めないと合格を取り消す」などと急かしたりして、養成所への入会やマネジメント契約などを勧めます。
「レッスン内容のレベルが低い」「仕事を紹介してもらえない」「出演するには別途支払いが必要とさらに金銭を要求された」「仕事に必要だからと高額なエステ契約をさせられた」などのトラブルの他、面接したらアダルト動画への出演を勧められ、断った後も執拗にメールが届くという事例もあります。
デート商法
美容医療サービスのトラブル
サクラサイト商法
信用情報
ローンやクレジットの契約の審査に当たり、金融機関は信用情報機関※を利用します。信用情報機関は、加盟する金融機関から登録される信用情報(氏名や生年月日などの個人を特定する情報、契約日や利用金額などの取引に関する情報、延滞や債務整理などの取引から発生する情報)を管理・提供することで、消費者と金融機関の健全な信用取引を支えています。
日本には 3 つの信用情報機関があり、3 機関は、過剰貸付けによる多重債務問題発生防止などのため、各機関に登録されている一定の情報を相互に交流しています。このため、借り入れの返済やクレジットの支払いの延滞は、次の契約に影響を及ぼすおそれがあるのです。
※信用情報機関について
- 株式会社日本信用情報機構(主な会員:消費者金融会社)
- 株式会社シー・アイ・シー(主な会員:クレジットカード会社)
- 全国銀行個人信用情報センター(主な会員:銀行、政府関係金融機関)
トラブルに
巻き込まれてしまったら
困ったときは、日本貸金業協会にご相談ください。
早期の相談は、被害拡大・二次被害の防止につながります。
若年者金融トラブル
ホットライン
受付時間:9:00~17:00
(土・日・祝休日・12/29~1/4を除く)
0570-008-661
または03-6277-2355
一般の方向けの金銭トラブル相談窓口
0570-051-051
※お電話での申出内容を正しく把握するため、会話の内容を録音させていただく場合があります。